独立行政法人 自動車事故対策機構 中部療護センター

◎交通事故により脳が損傷し重度後遺障害者となられた方の社会復帰の可能性を追求しながら、適切な治療と看護を行なうことを目的とした、世界でも類を見ない専門病院です。

診療部(脳神経外科)

 従来、日本の医療は西洋近代医学の流れを汲み、人間に対する病気を征服すべき対象とみなし、臓器別・疾患別医療を展開してきました。ところが21世紀になり、このような方針だけでは医療を受ける皆さんが「救われない」という近代医療のひずみが問題になってきました。中部療護センターの診療部では、疾患に対する手術や投薬などの直接的な医療のみに注目するのではなく人を人として全体的にとらえて医療技術を超えた心や家族を含めた生活環境をも考慮してコンデションの改善を図る医療を心がけています。意識や認知機能の改善を図る「脳リハビリテーション」は、従来は看護・理学療法・作業療法・言語聴覚療法・音楽療法等による経験的な積み上げにより成り立ち、そしてこれらのそれぞれの分野のプロフェッショナルが縦割りで脳リハビリテーションにあたってきました。現在中部療護センターでは高度先進機器のMRIやPET等の脳機能測定による個々の患者さんに特有な脳機能の情報を正確に評価し、カンファランス等で議論することによりその情報をスタッフ全員が共有し、各分野が有機的に連携をとりあうことによるテーラーメイドの脳リハビリテーションを目指しています。

昭和61年、岐阜大学医学部卒業。平成7年4月、岐阜大学医学部附属病院助手(脳神経 外科)。平成10年4月、土岐市立総合病院脳神経外科部長。岐阜大学大学院医学系研究科医科学専攻神経統御学講座脳病態解析学分野准教授(客員)。日本脳神経外科学会専門医(評議員)、日本脳卒中学会専門医。岐阜大学 大学院医学系研究科脳病態解析学准教授(客員)。医学博士。