交通事故によって負われた遷延性意識障害や高次脳機能障害の病態は非常に奥深く、集中的かつ専門的な治療を要します。中部療護センターの診療部では、疾患に対する手術や投薬などの直接的な医療を超えて、全人的で熱意あるリハビリを中心とした医療を展開し、かつ、患者様にとって最善の生活環境の改善を図るため、ご家族にも助言や指導を行っています。意識や認知機能の改善を図る「脳リハビリテーション」は、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士・音楽療法士等が常に横のつながりを持って患者様の病態を把握し、情報をリニューアルしながら最適なリハビリを提供できるよう取り組んでいます。現在、中部療護センターは脳の病態を解析するためのMRI、PET、SPECT、MEG等の高度先進機器を有しており、これらから得られる情報をカンファランス等でスタッフ全員が共有し、患者様の心と身体の両面に対して愛情をもって専門的な脳リハビリテーションを提供できるよう日々努力しています。
副センター長 池亀 由香 Yuka, Ikegame, M.D., Ph.D. 平成15年岐阜大学医学部卒業。平成22年岐阜大学大学院医学研究科博士課程修了。岐阜大学医学部脳神経外科助教。平成23年同学細胞情報学助教。平成26年、中部療護センター着任。令和6年から同副センター長、岐阜大学大学院医学系研究科医科学専攻神経統御学講座脳病態解析学分野准教授(客員)。日本脳神経外科学会専門医、医学博士。平成28年 岐阜大学医学部藤原賞。 |